館山のパワースポット・安房神社の魅力 祀られている神様と御利益

館山市

千葉県館山市に立ち寄ったら一度は足を運んでみたい安房神社。
房総半島の歴史と深く関わる由緒正しい神社であり、鳥居をくぐり一歩境内に足を踏み入れれば、館山の市街地とは空気が一変し、そこは豊かな自然に囲まれ、静かな空間が広がります。近年はパワースポットとしても注目され、仕事運や産業繁栄を願う参拝者が各地から訪れています。


館山市の安房神社はどのような神社?

安房神社は、館山市大神宮地区に位置する神社で、房総半島南部を代表する古社のひとつです。

式内社(平安時代にまとめられた「延喜式神名帳」に記載されている古くからある格式高い神社のこと)で、名神大社(国家的な事変が起きたときなどに行われる「名神祭」の対象になる、霊験あらたかな神様を祀っている神社)です。

また、安房国一宮(旧安房国で最も社格が高い神社)でもあります。

明治時代の社格では、官幣大社(祈年祭や新嘗祭などの宮中祭祀の際に神祇官より奉幣を受ける神社)でもあります。

また、神社本庁は安房神社を別表神社(規模が大きい神社)と定めています。(千葉県に5社)


安房神社の歴史

創建の由来と御祭神

安房神社の創建は非常に古く、日本神話の時代に遡ると伝えられています。神武天皇が初代の天皇として即位した皇紀元年(西暦紀元前660年)と伝えられています。

主祭神は天太玉命(あめのふとだまのみこと)で、祭祀や工芸、技術を司る神として知られています。
天太玉命は、天照大神の岩戸隠れ神話にも登場する重要な神であり、その由緒から安房神社は格式の高い神社として崇敬されてきました。

房総開拓と安房神社

天富命(下の宮に祀られている神様)は、神武天皇の命により、肥沃な土地を求め、まずは四国の阿波国に上陸し、開拓しました。
その後、天富命は、さらに肥沃な土地を求め、阿波国に住んでいた忌部氏の一部を引き連れ、船で黒潮に乗り、房総半島南部に下り立ち、この地で麻や穀を植え、開墾しました。
天富命は、上陸した布良浜にある男神山・女神山に、先祖神である天太玉命と天比理刀咩命をそれぞれお祀りしました。
男神山に祀られた天太玉命こそが、安房神社の起源になります。


境内の見どころと建物

白い鳥居と表参道

安房神社の鳥居は、白色の神明鳥居で、その横には「官幣大社安房神社」と書かれた社号標があります。揮毫は、東郷平八郎元帥によるものです。

参道は、桜並木になっており、桜の季節には多くの人々で賑わいます。
参道を抜けると右手に茶屋があり、参拝する人々の憩いの場所となっています。

本宮と拝殿

一の鳥居をくぐり、長い参道を歩き、社務所を通り過ぎると、二の鳥居をくぐります。
手水舎や額殿などがある広い境内の先に、荘厳な社殿が見えてきます。
手前に拝殿、奥が本宮です。
安房神社では、本宮を「上の宮」と称します。これに対し摂社(本宮に祀られている神様に縁が深い神様を祀る社)を「下の宮」といいます。

本宮には、天太玉命(アメノフトダマノミコト)という神様が祀られています。
天岩戸の神話で、天照大神を岩戸から誘い出すために、岩戸の前で鹿の骨で卜占(占い)を行い、天香山の繁った榊に勾玉や鏡で玉串を作り、それを捧げ、天照大神が岩戸から出てきた後は、注連縄で岩戸を封印したことから、占いの神やものづくり(産業)の神といわれています。

また、相殿神(一緒に祀られている神)として、天太玉命の配偶神である天比理刀咩命(アメノヒリトメノミコト)と、天太玉命を祖とする忌部氏に関りがある五柱の神(忌部五部神)が祀られています。

  • 櫛明玉命(クシアカルタマノミコト)
  • 天日鷲命(アメノヒワシノミコト)
  • 彦狭知命(ヒコサシリノミコト)
  • 手置帆負命(タマキホオイノミコト)
  • 天目一箇命(アメノマヒトツノミコト)

摂社・末社

摂社

社殿の右手奥に行くと、下の宮があります。
安房神社が今の場所に遷された養老元年(西暦717年)に創建されたと伝えられています。
祀られているのは、天富命(アメノトミノミコト)と天忍日命(アメノオシヒノミコト)の二柱。

  • 天富命
    天太玉命の孫。四国の阿波国や房総を開拓した。
  • 天忍日命
    天太玉命の弟。

末社

厳島社
本殿の手前、階段の下に大きな岩の中に小さな社があり、立て札には「厳島社」と書かれています。この社には、市杵嶋姫命(イチキシマヒメノミコト)が祀られています。宗像三女神の一柱で、海上交通を守護する神様です。

琴平社
本殿の右手に小さな社があり「琴平社」と書かれています。この社には、大物主神(オオモノヌシノカミ)が祀られています。国造りの神である大国主神によって三輪山に祀られた神様です。


安房神社の御利益

安房神社に祀られている天太玉命(アメノフトダマノミコト)は、産業や技術を司る神様であることから、仕事運や商売繁盛の御利益で特に知られています。ものづくりや創作活動など、事業の成功を願う人々がよく訪れる神社でもあります。
また、家内安全や心願成就、学業成就など幅広い御利益があるとされ、館山市近隣の方々にとっては、何かあったら頼りにしている祈りの場所であるようです。


年間の祭事と行事

例祭

例年8月10日に行われる安房神社の例祭は、神社にとって最も重要な神事です。「浜降祭」や「磯出の神事」とも称され、地域の人々にとっても重要な祭事です。
神社本庁から幣帛(神様に奉献する物)をお供えし、国家の安泰、皇室の弥栄(いやさか)、国民の安寧を祈ります。

前日の9日には子供神輿が、当日の10日には安房神社神輿が、出御します。

月次祭

1月以外の毎月1日には、月次祭が行われます。
国家の安泰、皇室の繁栄、氏子の健康と安全を祈願します。

季節ごとの神事

例祭以外にも、安房神社では年間を通してさまざまな神事が行われています。季節の節目ごとに執り行われる神事は、自然の恵みに感謝し、日々の暮らしの安寧を祈る大切な行事です。訪問時期によって異なる表情を楽しめるのも魅力のひとつです。

春の神事(3月・4月・5月)

  • 桜花祭
    4月上旬の日曜日に行われます。春の訪れを祝い、国家の繁栄、人々の幸福を祈願します。
  • 下の宮祭
    毎年5月10日に行われます。安房神社の摂社である「下の宮」で行われる神事です。下の宮の祭神である天富命(アメノトミノミコト)と天忍日命(アメノオシヒノミコト)のためのお祭りです。
  • 御田植祭(おたうえさい)
    5月上旬に行われます。神饌田(神様にお供えするお食事やお供え物を作るお米を植える田んぼ)で行われる神事です。その年の豊作を祈願します。

夏の神事(6月・7月・8月)

  • 厳島社祭
    6月10日に行われます。安房神社の末社である厳島社に祀られている市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)の神事です。
  • 夏越しの大祓式
    6月30日に行われます。人が日常の中で知らないうちに犯してしまう罪や穢れを祓い清めるた祭事です。安房神社の総代によって「茅の輪(ちのわ)」が作られ社務所前に置かれます。その茅の輪をくぐることによって穢れが祓われ、災厄を避けます。

秋の神事(9月・10月・11月)

  • 国司祭
    敬老の日前の土・日曜日に行われます。安房国総社である鶴谷八幡宮で行われるお祭りですが、旧安房国(館山市・南房総市・鋸南町・鴨川市の一部)の神社が総出となって行われます。通称は「やわたんまち(八幡祭)」。千葉県の無形民俗文化財に指定されています。
    土曜日には、安房神社を含め旧安房国の10社から神輿が鶴谷八幡宮に集結し、翌日曜日には市内から5台の山車が出祭します。
    安房神社の国司祭は、八幡宮境内に建つ安房神社の遥拝殿(離れた場所にいる拝むための建物)で行われます。
  • 琴平社祭
    9月27日に行われます。安房神社の末社・琴平社に祀られている大物主神(オオモノヌシノカミ)の神事。
  • 新嘗祭(にいなめさい)
    11月23日に行われます。新嘗祭は宮中祭祀の一つで、天皇陛下がその年に収穫された新穀などを神々に供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして天皇陛下自らも食する神事です。全国の神社でも行われています。

冬の神事(12月・1月・2月)

  • 神狩祭(みかりさい)
    12日26日。下の宮に祀られている天富命(アメノトミノミコト)が忌部氏を引き連れ、房総半島の開拓に力を入れていた際、田畑を荒らしていた鹿や猪などを狩猟して、住人たちの穏やかな生活を取り戻したことから、この出来事に感謝し、先祖たちの苦労を偲ぶ祭事となります。
  • 年越しの大祓式
    12月31日。日々の生活で人が知らないうちに犯してしまう罪や穢れを祓い清めるた祭事です。
  • 歳旦祭(さいたんさい)
    1月1日。一年の始まりに国家の安泰、国民の安寧、五穀豊穣を祈願する行事です。
  • 有明祭(ありあけさい)
    1月4日。12月26日の神狩祭から1月4日の有明祭までの10日間は、かつて神職・総代が神社に参籠し、外界との関りを一切断っていました。籠り明けの有明祭では、天富命の一行が退治した獣の舌を模した「舌餅」が、塩なます、小豆御飯などと一緒にお供えされます。
  • 置炭神事(おきすみしんじ)
    1月14日夕刻。門松に使われた松材でおこした浄火で粥を炊き、燃え残った松材を12本を取り出し、その焼き色によってその年の天候を占う神事です。
  • 粥占神事(かゆうらしんじ)
    1月14日夕刻の置炭神事で炊いた粥の中に、すのこ状に編んだ12本の葦筒を沈めて、そのまま一晩放置し、翌15日朝に葦筒を取り出し、筒の中に入った粥の入り具合や、色つやによって、その年の作物の豊凶を占う神事です。

御朱印・参拝の楽しみ方

安房神社では社務所に隣接する授与所で御朱印を書いていただくことができます。
受付・授与時間は、午前8時30分~午後5時です。初穂料は500円です。
安房神社オリジナルの御朱印帳も2種類あり、こちらは初穂料1,500円です。

参拝の際は、他の神社と同じように、心を落ち着けて、鳥居で一礼し、手水舎で手と口を清めます。
通常参拝の場合は、そのまま拝殿へ進み、お賽銭を入れたら、二礼、二拍手、祈願、一礼。
参拝が終わったら、授与所でお札やお守りなどの授与品をお受けください。時間に余裕があれば、境内を散策するのも良いでしょう。

授与所で玉串料(5000円以上随意)を納めれば、昇殿参拝も可能です。
神職が拝殿まで案内してくれるので、神職の言うとおりにしていれば大丈夫です。


安房神社へのアクセス方法

車でのアクセス

安房神社へは車でのアクセスが便利でしょう。
最も近い高速道路は館山自動車道で、富津竹岡ICで下りて、国道127号線を南下します。
国道127号線は千葉県南総文化ホール前の交差点で国道410号線につながるので、そのまま直進(南下)します。
コメリハード&グリーン館山大神宮店のすぐ先で左折し、直進すると安房神社の白い鳥居が見えてきます。
鳥居のすぐ横に参拝者用駐車場入り口があります。

順調にいけば、館山市街地からおよそ20分ほどで到着します。
観光シーズンや祭事の日は混雑することがあるため、時間に余裕を持って訪れるとよいでしょう。

公共交通機関の場合

鉄道を利用する場合は、JR内房線館山駅が最寄りの駅になります。
館山駅東口のバス乗り場かタクシー乗り場を利用します。

バスの場合は、JRバス関東の南房州本線・安房白浜行きに乗車。
安房神社前で下車し、少し歩くと安房神社に着きます。

バス・タクシーともに、館山駅から安房神社までは約20分。

館山駅からは高速バスも出ています。

  • 房州なのはな号(東京駅八重洲南口ー館山駅・千倉・安房白浜・休暇村館山前・伊戸漁港)
  • 新宿なのはな号(バスタ新宿ー館山駅)

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